あまり知られていませんが、助成金制度は意外と多く用意されています。ただ、知らないがために、もらえるチャンスを逃してしまうケースが多々あります。
助成金は、もらえる条件を満たしているケースであっても、「知らなかった」や「申請していなかった」場合はもらうことができません。言わば「知ったもん勝ち」なのが助成金です。
ここでは、雇用関係各種給付金のうち、雇用保険適用事業所の事業主の方に対して支給されるものを一覧にしています。(平成23年10月1日現在)
もらえそうなものがあれば、詳しい要件などを確認してみましょう。
各助成金に関する詳しい情報は、最寄のハローワークまたは社会保険労務士にお問い合わせください。
1.労働者を新たに雇い入れる場合の支援
特定就職困難者雇用開発助成金(特定求職者雇用開発助成金)
障害者、高年齢者(60~64歳)等をハローワーク等の紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れた場合、賃金相当額の一部を助成
高年齢者雇用開発特別奨励金(特定求職者雇用開発助成金)
65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により所定労働時間が週20時間以上の1年以上雇用する労働者として雇い入れた場合、賃金相当額の一部を助成
派遣労働者雇用安定化特別奨励金
派遣先である事業主が受け入れている派遣労働者を直接雇い入れる場合に派遣先である事業主に対して助成
若年者等正規雇用化特別奨励金
就職が困難な年長フリーター等や採用内定を取り消された就職未決定者を期間の定めのない労働契約により正規雇用する事業主に対して助成
試行雇用奨励金
職業経験、技能、知識等から就職が困難な特定の求職者層等についてトライアル雇用を実施した場合に助成
3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金
大学等を卒業後3年以内の既卒者も対象とする新卒求人を提出し、正規雇用した事業主に対して助成
3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
中学・高校・大学等を卒業後3年以内の既
卒者を有期雇用での育成を経て正規雇用
に移行させた事業主に対して助成
既卒者育成支援奨励金
長期の育成支援が必要な既卒者を有期雇用し、育成のうえ正規雇用に移行させた成長分野等(環境等)の中小企業事業主に対して助成
精神障害者等ステップアップ雇用奨励金
週20時間以上の就業を目指す精神障害者及び発達障害者についてステップアップ雇用を実施した場合に助成
発達障害者雇用開発助成金
発達障害者をハローワークの職業紹介により常用労働者として雇い入れ、雇用管理に関する事項を把握・報告した事業主に対して助成
難治性疾患患者雇用開発助成金
難病のある人をハローワークの職業紹介により常用労働者として雇い入れ、雇用管理に関する事項を把握・報告した事業主に対し助成
精神障害者雇用安定奨励金
精神障害者を新たに雇い入れ、又は休職者を職場復帰させ、精神障害者が働きやすい職場づくりを行った場合に助成
障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)
障害者雇用経験のない中小企業が初めて障害者を雇用した場合に助成
中小企業基盤人材確保助成金
中小企業労働力確保法における改善計画の認定を受けた中小企業事業主が、認定計画に基づき健康・環境分野等に該当する事業への新分野進出等の基盤となる人材を雇い入れた場合に助成
建設業離職者雇用開発助成金
建設業に従事していた45歳以上60歳未満の労働者を新たに雇い入れた建設業以外の事業主に対し助成
2.労働者の雇用を維持する場合の支援
中小企業緊急雇用安定助成金
景気の変動等により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業、教育訓練、出向を行って労働者の雇用を維持した場合、かかった費用の一部を助成
中小企業定年引上げ等奨励金
65歳以上への定年の引上げ、希望者全員を対象とする65歳以上までの継続雇用制度の導入又は定年の定めの廃止等を実施した中小企業事業主に対して助成
3.再就職支援等を行う場合の支援
労働移動支援助成金(求職活動等支援給付金、再就職支援給付金)
事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者や、定年等により離職が予定されている高年齢者等のうち、再就職を希望する方に対して、
- 本来の有給休暇とは別に求職活動等のための休暇を付与した事業主に対して助成(求職活動等支援給付金)
- 再就職に係る支援を職業紹介事業者に委託し、再就職が実現した中小企業事業主に対して助成(再就職支援給付金)
4.労働者の能力開発を行う場合の支援
キャリア形成促進助成金
雇用する労働者を対象として、職業訓練等の実施、自発的な職業能力開発の支援する事業主に対して、賃金及び訓練経費の一部を助成
成長分野等人材育成支援事業
健康、環境分野等の事業を行う事業主が、期間の定めのない労働者の雇入れ等を行い、Off-JTを実施した場合に、訓練費の実費相当を支給
(震災対応分)
東日本大震災による被災者を新規雇用・再雇用した中小企業事業主が、その労働者に職業訓練を行う場合に、業種を問わずOJTも含め訓練費を助成
5.労働者の雇用管理改善を行う場合の支援
均衡待遇・正社員化推進奨励金
事業主が、正社員への転換制度や正社員と共通の処遇制度等、パートタイム労働者又は有期契約労働者と正社員との均衡待遇推進等のために制度を導入・運用し、制度の対象者が出た場合に助成
6.仕事と家庭の両立支援等に取り組む場合の支援
両立支援助成金
一定基準を満たす事業所内保育施設の設置、運営、増築若しくは建て替え又は保育遊具の購入を行った事業主又は事業主団体に対して、事業所内保育施設設置・運営等支援助成金を支給するとともに、子育て期における短時間勤務制度を導入し、労働者に当該制度を利用させた事業主に対して、子育て期短時間勤務支援助成金を支給する。
中小企業両立支援助成金
働き続けながら子の養育又は家族の介護を行う労働者の雇用の継続を図るため、労働者の職業生活と家庭生活を両立させるための制度を導入し、利用を促進した中小企業事業主等
7.労働条件の改善に取り組む場合の支援
介護労働者設備等導入奨励金
都道府県労働局長の認定を受けて介護福祉機器を新たに導入し、適切な運用を行った場合に費用の一部を助成
8.中小企業を創業する場合の支援
地域再生中小企業創業助成金
雇用失業情勢の改善の動きが弱い地域において、当該地域における重点分野に該当する事業分野で創業する事業主に対する助成