社会保険の手続き
退職することは、同時に社会保険から抜けることにもなります。そのため、退職後は各種保険の手続きが必要となることがあります。以下は、次の就職先が決まっていない場合の手続きです。
雇用保険
住所地管轄の公共職業安定所(職安、ハローワーク)に出向き、失業保険受給のための手続きをする。
労災保険(労働者災害補償保険)
特になし。
健康保険
1. 国民健康保険に加入する場合は、市区町村の役場で手続きを行う。
2. 任意継続被保険者資格(※)は、住所地管轄の社会保険事務所または会社の健康保険組合。
厚生年金保険
国民年金の加入は、市区町村の役場まで。
所得税と確定申告
所得税は1年間の所得に課税されるもので、通常は給料から所得税が天引きされています。しかしこれは所得に応じた見込みで天引きしているものであり、確定額ではありません。
税額が確定するのは所得が確定する12月末ですので、その時点で天引きしていた分と確定した税額とを比較し、納めすぎになっていた場合は余剰分が還付されます。これが年末調整です。(逆に、足りない場合は払うことになります。)
退職後、その年の12月までに再就職し、前の会社での源泉徴収票を提出しておけば、新しい会社で年末調整を受けることができます。
退職して12月までに再就職できなかった場合は、自分で確定申告をして還付を受けることになります。
退職金と所得税
退職金は税金の対象となりますが、控除が大きいため、相当大きい額でない限り税金はかかりません。
勤続年数と控除額(退職所得控除)
2年未満・・・控除額80万円
2年以上20年以下・・・勤続1年当たり控除額40万円
20年超・・・800万円+70万円×(勤続年数-20年)
障害者になったことが退職の直接の原因である場合は、上記控除額からさらに100万円加算されます。
例:勤続3年で退職金を100万円もらった場合
控除額が120万円なので、所得税はかかりません。
住民税について
住民税も所得税と同様に天引きされるものですが、その仕組みは所得税とは逆の後払い。前年度(1~12月)の収入に課せられた税金を、翌年6月~翌々年5月までに納めます。
例:平成15年度の所得に対する住民税
→平成16年の6月~平成17年5月に納めます。
退職時の住民税の処理方法については、退職の時期によって処理の仕方が2つに分かれます。
1月~5月に退職した場合
5月までの残額を退職時に一括納入
(最後の給与から天引きされるのが普通です。)
↓
6月1日の時点で再就職していれば、新しい会社で天引きが再開。新しい会社で年末調整が行われます。
6月1日の時点で再就職していない場合は確定申告をしましょう。
6月~12月に退職した場合
翌年5月までの残額を支払います。支払方法は一括でも分割でもOKです。この手続きは役場で行います。
住民税は昨年度の所得額に応じた課税のため、「失業中なのに住民税の納税通知が送られてくる」ということもあります。住民税は分納という方法もありますので、一度に払えない場合は速やかに役場の窓口へ相談に行きましょう。